こちらは江戸後期ー明治期の地球儀簪になります。これを見た時鳥肌がたつというか、完全にノックアウトされた感覚になりました。日本は鎖国において科学技術の発展が諸外国にくらべておくれておりましたが、17-18世紀に多いに発展したこういった世界宇宙観は極一部の上流社会の人々までは届いても、庶民には縁のないもので、19世紀−20世紀になりようやく浸透したかのような感があります。そういった意味で日本において文明開化というのは壮絶な時代の変化であったことでしょう。芸者さんが使っていたものだとおもいますが、こういった江戸ー明治期のスペースエイジ最先端の意匠も立派なパトロンがあるからこそ出来たもので、それを形にし、生活に取り込むすばらしさには全く脱帽させてくれます。地球儀は鍍金で地理的なものは想像により起こされており、正確さはございませんが、タガネ彫りのフランス、大日本、支那、イギリス、アメリカ、があり、緯度が漢数字で彫られております。地球儀は北極、南極を中心に回転するようになっております。かんざしの竿は錫びきだとおもいます。微小のゆがみあります。長さ約16cm