こちらはロシア皇帝ニコライ２世 (1868-1917)の時計鍵になります。
鋳造鍍金の造りはとてもよく作製時のムラはありますが程度もよいもので未使用に近いものかと思います。
一般的にはニコライ２世ということになっているのですが、ニコライ２世のいとこであるイギリス王のジョージ５世（ニコライ２世の母マリアの姉が
イギリス王エドワード７世でジョージ５世はその息子）とそっくりであるため見間違えるほどなのですが、
血筋のつながっていないはずのエドワード７世（1841-1910 クィーン・ビクトリアの子）にもよく似ていると思うのは当方だけではないと思います。
またこちらの鍵の鼻の形がややエドワード７世に近いようなきがします。
コロネーション（戴冠式）を記念して作製されたと思いますがジョージ５世の時代（1911年戴冠）はすでに鍵巻き時計は時代おくれでしたのでありえませんし、
エドワード７世(1902年戴冠)の時代もまだ鍵の必要性はあったものの当時ファッションリーダーである王室・皇室にもあわないような気がします。
ニコライ２世（1896年戴冠）の時代もおくれている感はあります。
もっとも、こういったものは発案から完成までに時間を要します。退位は基本的にありえない王室・皇室で
いつ無くなるかわからない先代の状態にあわせて前もって準備されたわけですし、
将来のビジネスを予測してこういったもをつくるのは余裕がないとできなかったことかと思います。
フルサイズキーで長さ約43mm　幅約16mm 現代鍵で約10番（番手が高いと小さくなるタイプ）になります。