こちらはロンドン、ストリートマップ　ウォッチペーパーになります。銅板版画に彩色してあり、こちらも全くのウォッチペーパー用に作られたものです。現在にくらべるとピンク色で配色されたロンドンの中心市街地はまだまだ小さく、配色のない部分は森や林などのさびしい田舎の街道であったようです。ちょうどアウターケースの板スプリングに当たる部分が欠落しているのとウエストエンドの部分の表面が失われているようです。裏にはオリジナルのオーナーの名であるニューポートのR.G. カークパトリック　Esq. と25 H 25（番地でしょうか）書き込まれております。
ニューポートはウェールズ、シロップシャー、ワイト島にありますが、どうもワイト島の出身者のようで、エスクワイヤーの称号がつくのでそれなりの身分のひとだったようです。旅行時にロンドンでも迷わないようにと持ち歩いたものでしょうか。地図に赤枠でマーキングしたProposedとういのは計画中ということなのですが、黒い線で描かれているのが運河で、その先をたどるとGrand Surrey Canal （グランド　サレー　カナル）となっておりますが、こちらの運河が赤枠 Proposed の右にみえるCamber Well（キャンバーウェル）まで到達し完成たのが1810年ここから先 Proposedとある地域は計画でおわり1817年の議会で否決され結局着工しなかったようです。そのため、1810年より数年前からこの1817年の間ぐらいのものかと思われます。
径約56mm 　写真のアウターケースは付属しません。