ひじょうにモダンなコンパクトで満月とお饅頭のような姿は18世紀の時計ケースのようです。フラッシュサーフェスにへら絞りと繊細で精密に計算されたケガキの円が3つ面取りされ、ガラスが外向きに嵌っており、吊り環は三日月のように先が細くなる細かい気配りが和の雰囲気を見事にとりこんだフューチャーリスティックでものすごいデザインです。ペンダント部分のプッシュボタンで蓋がひらかれ、中にはパフの格納部分でしょうか鶴の蒔絵蓋(パフ欠品)とその下におしろいの格納部分があります。鏡はとり外しできるようになっており多少稚拙なところはありますが、唐草模様の押さえがついております。今回のものにはもう少し時代があがるおしろい刷毛がついております。外装はソリッドのニッケル銅合金で側を除く内装は銅合金に錫引きのようになっております。もう少しあとのはなしですが、アメリカの懐中時計ケース製作会社 イリノイウォッチケースカンパニー(時計会社のイリノイウォッチとは別になります。)が日本でコンパクトの生産を行っておりました。これ以前にアメリカの時計ケース業界ではニッケルシルバー、シルバーリーン、シルバーロイド、などの銘でニッケル45% 銅54% マンガン1%ぐらいの割合で合金が造られており、これもそのようなものかと思っております。こちらはひじょうに貴重な資料かとおもいます。表面にスレキズ 鏡にややシミがあります。径約55mm 厚み約25mm 重さ116g