日本では江戸時代中期、明和元年　女性天皇である後桜町天皇、将軍、徳川家治の時代、
イギリスではハノーバー朝の王、ジョージ3世期のもので、ジョージ・グレアム、トーマス・マッジやジョン・ハリソン等が
活躍した時代にロンドンから北東43kmに位置するハートフォードシャーのビショップス・ストートフォードで
時計師を営んでいたジョージ・ヘラムの作で荘厳な天賦受け及び緩急ダイヤル受けの総透かしが見事です。
ゼンマイにテンションをかけるウォームギヤ歯車も後の機械に用いられる文字盤下に配置されるタイプに改造されていないオリジナルのままです。
また、ケースのペンダント部も360度回転するようになっており、ろう点け固定されていないのも当時のスタイルであり、
うれしい次第です。銀無垢ペアケースはスレや少々ノックはありますが作成時に近い状態で程度良好です。
ホールマークは内ケースがやや薄くなっておりますがアウター共に同じでロンドンの1764年　ケースメーカーは
FSにフルール・ド・リスのようなマークとなっておりフランシス・スピルスベリー２世あたりかもと想像しておりますが、
古い時代には大御所の銀細工師は時計ケース等には手をださなかったこともありこちらは不明としておきます。
ハイドームクリスタル風防は少し線キズがありますが光の加減で見える程度で綺麗です。
ビートル＆ポーカー針良好です。勢いのあるアラビア数字、ローマ数字オリジナルエナメルダイヤルはスレありますが
美品です。機械は鍍金の状態も良く、しっかりとした振り角で精度良好です。
写真にはないですが鍵付属いたします。径約52mm　風防を含む厚み約28.5mm　100g