この時期外観ではほぼ同じような安価なスイス製のクロノグラフ(機械のみスイス製でイギリス製のケースに入っている物も多い)がよくみられますが、こちらはイギリス製のしっかりしたもので、鎖引き鍵巻きになります。(クロノグラフとはいってもストップ機能のみで帰零はしません)ひじょうに大型で肉厚の銀無垢ケースは豪華なつくりで美しい面取りされた厚クリスタルとの相性がすばらしいものです。2時位置のスライドで一時停止ができ、お医者さんが脈をはかったり、秒単位で標準時とのシンクロが可能であるために重宝されたようです。クリスタルはたいへん奇麗です。長針、短針、秒針とも良好です。ややクリームがかった2段エナメルはベゼルで見えない部分に小さなソゲが確認できますが、ヘアラインもないひじょうに奇麗な状態です。時計、宝飾品商名であるジョージ・レッドマンとヨークシャーの美しい町ヘブデン・ブリッジ銘が美しいビクトリアンスクリプトではいっておりまして、あまり見かけない優雅なフォントと60mmの大きさの組み合わせが、この時計の魅力の8割をしめていると思い手に入れた次第です。裏蓋を開けるとジョージ・ネザーウッド(たぶんオリジナルの持ち主)銘および蓋裏にいろいろな彫金が施されているのが確認できます。銀無垢ケースは径約60mmの大型のものでチェスターの1889年とケースメーカーはバーミンガム、リッチモンド通りのウィリアム・ヘラー・ハセラーでしょうか、コインエッジが薄くなっている部分、スレキズ等使い込んだ感はございますが、たいへん奇麗な状態です。機械はコベントリーあたりで作られたエボーシュ品だとおもいますがレッドマン銘とシリアルナンバー71113が入っており、しっかりとした15石の鍵巻き、鎖引きでたいへん振りもよく精度もしっかりしております。径約60mm 179g